事例紹介

【事例1】不当解雇とともにセクハラを主張することで、労働審判で相場を上回る月給の10か月分の解決金を獲得

事務の仕事をしていたAさんは、長年社長から交際を迫られる性的な発言を受けるなどのセクハラを受けていました。会社の経営は大きな問題はなかったのですが、突然会社の経営の都合という名目で整理解雇されてしました。

Aさんの詳細なメモ以上の決め手となる証拠があったわけではありませんが、会社が何の理由もなく解雇したことと並行して主張しました。相手方は結局ほとんど解雇の合理性について反論できず、またセクハラについても積極的に反論できませんでした。その結果、労働審判での解雇事案の相場を大きく上回る月給の10か月分で解決することができました。

 

【事例2】解雇後、早期に給料仮払いの仮処分を申し立て3か月ほどで職場復帰

運転業務に従事していたBさんは社長に仕事の進め方について少し意見をしたというだけで、解雇されてしまいました。

私は仮処分の申し立てを受任後2週間ほどで行いました。期日では会社側は解雇の有効性を主張することはほとんどできませんでした。Bさんは復職を強く希望していましたので、その旨伝えたところ、会社側も観念し、早期に復職が実現しました。

【事例3】退職勧奨や年俸の切り下げに対して、即座に受任通知を送り、気長に交渉することで、最終的に通常の退職金に加えて月給の2年分を上回る解決金を獲得

Cさんは中堅のメーカーに勤める技術者でした。Cさんは期初に設定した目標も毎年クリアしていましたし、会社からもこれまでは平均以上の評価をもらっていたのですが、突然低評価を受け、年俸の切り下げなどの嫌がらせを受けました。会社は業績が徐々に悪化したため、社内政治的に影響力のない人間から辞めさせるため画策しているようでした。

そこで、Cさんから受任した私は早速内容証明郵便で年俸の切り下げの前提となる評価がされておらず違法であるので、撤回しなければ法的措置をとる旨警告したところ、会社側はあっさり減俸を撤回してきました。

その後、半年ほど膠着状態が続いたのですが、いよいよ業績が悪化したせいもあり、早急に決着を図りたいと考えたのか、Cさんが当初希望していた金額を丸のみする形で会社から提案があり、高額の解決金で退職することになりました。退職後、Cさんはこれまで培ってきた人脈を生かしてフリーの技術者として忙しい毎日を送っているそうです。

退職勧奨では、労働者が拒否し続ければ、会社は給料を支払い続けなければならなくなります。交渉が長引けば長引くほど会社にとってはコストが増大しますので、粘り強く拒否し続ければ、会社側は必ず焦って譲歩してきます。退職勧奨の事件では焦らず、時間を味方につけることが重要です。

【事例4】労働組合と連携して、短期間で高額の解決金を獲得

 

小売店に5年以上勤めるDさんは現場のリーダー格として真面目に働いていましたが、ある日、会社の方針についてほんの少し意見をしたことをきっかけに、社長から会社にくるなと命じられてしまいました。

Dさんは自分が辞めなければならない理由はないと抗議したのですが、給料の支払いを一方的に止められ、給料の1か月分ほどを支払うので退職するようにと迫られました。私が受任して、給料仮払いの仮処分を申し立てました。相手方はDさんが今でも社員であることは認めたのですが、勝手に休んでいただけとして、給料の支払いに応じず、出社を命じました。退職に応じるのであれば月給の4か月分程を支払うとの提案もあったのですが、Dさんは社長の横暴なやり方に愛想が尽きていたのですが、長年貢献してきたと自負していた会社をこの程度の金額で追い出される形で退職するのは納得できないと会社に戻ることにしました。

Dさんは会社に戻りましたが、案の定、以前の仕事から外されて一人倉庫係とされてしまいました。あらかじめ会社の対応を予想していた私はDさんを一人でもはいれる労働組合(個人加盟ユニオン)に加盟させ、復職命令が出されるのとほぼ同時に団体交渉を申し入れました。団体交渉の席では会社側は不誠実な回答しかなかったようですが、店舗の前で抗議活動を行うと警告するなどしたところ、数日後に会社側から私宛に、こちらの当初の提案(月給の1年分強)をほぼ丸のみする形での和解の提示があり、退職和解となりました。申立から3か月ほどで1年分を超える解決金は零細企業の場合はかなり高額な解決となりました。

会社との交渉を有利に進めていく上では、裁判は大きな武器ですが、労働組合のバックアップがあればより有利に交渉を進めていくことができます。

 

【事例5】日給月給の外注扱いの方の通常の労働者以上の解決金

建築の見積もり作成や管理の業務をしていましたが、会社の社員扱いの者に対しては残業代を一切支払っておらず社員扱いの人の方が低コストであったため、若い人が育ってきたという経営上の都合で解雇してきました。Eさんは外注扱いでしたので源泉徴収こそされていましたが、社会保険にも加入しておらず、給料も出勤した日数分しか支払われないので、収入は月によって、まちまちでした。

裁判所は、独立した事業者であるという相手方の主張は相手にしませんでしたが、契約書もなく、出勤日が保証されていたわけではないので、収入の保証がなく、解雇が無効でもシフトが入らない限り給料は発生しないのではないかと疑問を私にぶつけてきました。

私は、Eさんは盆暮れに多少休みを取る程度で年200日以上出勤しており、会社の都合で休んだことはないこと、期限の定めがない契約であったこと、社内の事務作業や社員扱いの後輩の指導などもしており、社員扱いされている者と仕事の内容面でも差がないことなどを主張し、実態は通常の労働者と何ら変わらないのだと強調したところ、一般的な労働審判での水準を上回る和解金を支払って解決することになりました。